昨今、「酸化亜鉛フリー」を謳う日焼け止めをよく見るようになりました。
酸化亜鉛が毛穴に詰まって肌荒れを起こすという認識が広まっているようです。
このブログ記事では、酸化亜鉛についてや酸化亜鉛フリーの日焼け止めについて解説します。
酸化亜鉛とは
酸化亜鉛はUV-Aのカット作用にすぐれています。そこで、酸化チタンや紫外線吸収剤と併用し、日焼け止め製品や日焼け止め効果をもつメイクアップ製品に多く使用されています。
紫外線防止効果のある成分は紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類に分けられます。そのうち、酸化亜鉛は紫外線散乱剤に分類されます。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤には下記のような特徴があります。
紫外線吸収剤 |
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・紫外線を吸収し、熱エネルギーに変換して放出する ・お肌に刺激を感じることがある ・肌馴染みや伸びがよく白浮きしづらい |
紫外線散乱剤 |
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・紫外線を物理的に反射・散乱させる ・お肌への負担が少ない ・商品によっては白浮きする |
また、酸化亜鉛は皮脂を吸着するという特徴があります。これにより、皮脂によるテカリや化粧崩れを防ぐことができるので、化粧崩れ防止を謳う下地やファンデーションに配合されることが多いです。
なぜ酸化亜鉛が悪と言われるのか
インターネット記事やSNSでの書き込みでは、主に2点の理由から酸化亜鉛が良くない成分だと言われているようです。
①毛穴に詰まる
先にも記載したように酸化亜鉛は皮脂を吸着する効果があります。それにより、皮脂崩れを防止し肌をサラッとしてくれる一方で、固まった皮脂が毛穴に詰まりやすくなるとインフルエンサーなどを通して言われ始めたようです。
しかしながら、固まるといってもガチガチに固まるというわけではありません。
酸化亜鉛は「白色顔料」という粉体です。皮脂は読んで字のごとく、脂(あぶら・オイル)です。
粉体とオイルが引っ付くとどのようになるとイメージできますか?固体にはなるけど、ガチガチに固まるイメージは湧かないですよね。
酸化亜鉛が皮脂を吸着してもイメージ通りで、毛穴に詰まるほどに固くなることはありません。
ただ、酸化亜鉛と皮脂が固まったものが毛穴に入るのは事実です。
従って、酸化亜鉛が含まれたものを使用しないことよりも、1日の終わりにしっかりとクレンジングで洗い落とすことの方が重要なのです。
②金属アレルギーのリスク
酸化亜鉛は、金属の一種である亜鉛に熱を加えることで安定させたものです。
そのため、金属アレルギーのある人がそのまま塗布すると、アレルギー反応を引き起こすリスクがあります。
ただ、亜鉛は金属のなかでもアレルギーになりにくいものの一つです。世界的に見ても亜鉛アレルギーを持っている人は多くはありません。
また、日焼け止めに使用される酸化亜鉛は表面コーティング処理が施されています。そのため、酸化亜鉛が直接肌に触れることはないのです。
酸化亜鉛の安全性
酸化亜鉛の安全性については、各国の機関より危険性がないものと認められています。
日本では、日本化粧品工業会が「微粒子化酸化亜鉛を紫外線散乱剤として使用することにおいてリスクがない」と発信しています。
また、アメリカの厚生労働省にあたるアメリカ食品医薬局(FDA)から一般に安全とみなされる物質に分類されています。
欧州の消費者安全科学委員会(SCCS)も「皮膚に塗布した後にヒトに悪影響を及ぼす危険性はない」と報告しています。
もちろん、これらの機関が「安全」といえば必ずしも安全というわけではないと思います。
しかしながら、各国のさまざまな機関で試験をした結果、問題ないと判断しているので信憑性はかなり高いと言えるでしょう。
また、先にも記載したように、毛穴に詰まって取れなくなることはありません。
もし、毛穴に詰まった感じが残る人は、クレンジングを見直す方が良いと思います。
皮脂は油性です。水洗顔や石鹸だけでは落としきれません。
従って、油性のクレンジングでしっかりと皮脂、そして肌に残った日焼け止め落とし切ることが大切です。
酸化亜鉛フリー日焼け止めオススメ
酸化亜鉛は肌刺激が少なく、安全性が高い成分だということは分かっていただけたかと思います。
それでも、細かい粉体ですので、しっかりとクレンジングで落としきらないと毛穴に残ってしまう可能性は十分あります。
これまで日焼け止めを使用することで肌荒れしたことがあると感じる人は、酸化亜鉛フリーの日焼け止めを試してみるのも1つかもしれません。
そんな人のために、酸化亜鉛を配合していなくとも使用感や機能が十分なものをいくつか紹介します
① UV SUN AIR 100mL
SPF50+、PA++++と最高値の日焼け止め指数。
泡タイプで肌にスーッと伸びて密着します。
また、洗顔や石鹸で簡単に落とせます。その分、汗や水で落ちやすいとも考えられるので、こまめな塗りなおしは必須と言えるでしょう。
②JCMBホワイトニングシアローブクリーム UV
SPF50+、PA++++の日焼け止め効果はもとより、メラニンの生成を抑制する「トラネキサム酸」、炎症をおさえる「グリチルリチン酸2K」を配合しています。
少し値段は張りますが、日焼けを抑えながら各種予防に最適です。
まとめ
「酸化亜鉛フリー」が流行ってはいますが、酸化亜鉛は決して危険な成分ではありません。
むしろ安全性が高く、刺激の少ない成分です。
しかも皮脂を吸着する効果もあるので、これまで酸化亜鉛が配合された日焼け止めを使用しても特に問題を感じていない人は、わざわざ酸化亜鉛フリーの日焼け止めに切り替える必要はないと考えます。
一方で、これまでに日焼け止めを使用すると肌の調子が良くないと感じたことがある人は、一度酸化亜鉛フリーのものを試してみても良いかもしれません。
老化の原因の中には、「自然老化」と「光老化」とありますが、8割が光老化によるものだと言われています。皮膚の中で紫外線をほとんど浴びないお尻がツルツルなのに比べて、紫外線を浴びる部分はシワが目立つことからも分かるように、しっかりと紫外線対策をしなければ肌老化を促進させてしまいます。
光老化を促進させないためにも日焼け止めは必須です。
自身の肌質にあった日焼け止めを選び、しっかりと紫外線対策をしましょう。